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この時期、米国市場の好況に引っ張られるかたちで、株価は1年ほど前の水準まで回復を見せてはいますが、 失業率や、民間が調査する非製造業の景況DIも相変わらず横ばいの状態が続いており、飲食業を取り巻く環境は、まだまだ厳しいものがあるようです。 そんな中で、個人で飲食店を開業しようと考えている方々からは、「こんな時期に開業しても大丈夫でしょうか?」といった質問を受けることがあります。 もちろん、開業者の一生を左右するかも知れない重要な判断ですから、安易にお答えするわけにはいかないのですが、 そうしたことを前提とした上で、あえて「開業のために必要な準備資金さえシッカリ確保できているのであれば、むしろ、 この時期はチャンスとなるかも知れませんよ」とお答えすることも少なくありません。 なぜならば、個人が新しく開業するような飲食店の場合、結局のところ重要なのはマクロの経済指標よりも、 その店のまわりにいるお客様が店を支持してくれるかどうかということだからです。 例えば客単価2,000円の店で毎月2,000人のお客様が来店すれば、月の売上は400万円、20坪の店であれば充分な繁盛店です。 無休で営業している店であれば1日当たりの客数は約67人でしかありません。単純計算をすれば、2,000人の固定客がいて、 そのお客様が毎月1回は「あそこの店に食べに行こう」と来店してくれる店になれば、経営は充分に成立する可能性がある、ということです。 出店を検討している方は、計画地の周辺の人口は何人ぐらいで、事業所の就業者数がどのくらいあるのか、といったことを調べてみると良いでしょう。 この不況のおかげで家賃相場は低落しており、居抜きなどで比較的良い物件が安く借りられるケースも増えています。 店舗工事や仕入れの金額も下がっていますから、地域のお客様に支持されさえすれば、店舗経営のハードルは決して高くはない、という考え方もできるということです。 さて、以前にこのコーナーで、昨年の「ヒット商品番付」に「讃岐うどん」がランクインしたという話題をお伝えしましたが、今年は、またまた西日本を代表する ポピュラーなスナック商品「お好み焼き」がブレイクしそうな気配を見せています。 東京の下北沢では知る人ぞ知る「関西風お好み焼き」の繁盛店「ぼちぼち」が、「横浜ラーメン博物館」風のレトロな昭和初期デザインの店となって、 池袋や高円寺、桜新町などに続々と出店し始めました。 また、ファミリーレストラン大手すかいらーくグループの中でも急成長している「ビルディ」が、この「ぼちぼち」と提携を行って、神奈川県などで出店を始めたという 情報もあります。 関西では、「うどん」も「お好み焼き」も、ともに「粉物」という名称で同じジャンルの食べ物として扱われていますが、やはり不況の時期には、 見た目や雰囲気ではなく、安くて美味しい庶民派のグルメがウケるということなのでしょうか。
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